朝、カーテンを開けた瞬間、空は思ったよりも曇っていました。
前日の天気予報では晴れだったのに──そんな小さな裏切りでさえ、人は軽くがっかりします。
このときふと思ったのです。
「結局、期待するから落ち込むんだよな」と。
僕は、他人に過剰な期待をしないだけでなく、自分自身にも大きな期待はかけません。
今できないことが、明日になって突然できるようになるなんて、そんな魔法はないと知っているからです。
だからこそ、先入観を持たず、今の自分ができる範囲で新しいことに挑戦するようにしています。
少し前、僕はプログラミングを学び始めたときも同じ考えでした。
「1ヶ月で完璧に習得しよう」なんて思っていたら、途中で心が折れていたでしょう。
代わりに、「今日は昨日よりも1行多くコードを書く」「昨日理解できなかった部分を今日は10分だけ触れる」といった小さな目標にしました。
そのおかげで、上達のスピードは遅くても、確実に前に進めたのです。
期待を手放し、小さな積み重ねだけを見つめることで、途中で諦めることなく続けられました。
他人への期待が生む苦悩
「感謝されたい」「理解してほしい」という気持ちは自然なものです。
ですが、それを当然と思うと、相手の行動ひとつで気持ちが乱れます。
期待をコントロールすることは、対人関係での苦悩を減らす近道です。
他人からの期待に縛られないために
時には、他人が私たちにかける期待も重荷になります。
「こうあるべき」「あなたならできるでしょ」という言葉に応え続けていると、自分のペースや価値観が崩れます。
他人の期待を全て背負わないと決めることは、自立への第一歩です。
セネカの教えに学ぶ心の持ち方
古代ローマの哲学者セネカは「生きることの最大の障害は期待をすることだ」と説きました。
それは、未来や他人に依存しすぎると、今を失ってしまうという意味です。
期待よりも「今できること」に意識を向ける姿勢が、心の自由を生みます。
スモールステップで自分軸を築く
自分軸を持つためには、日々の小さな習慣が大切です。
・1日5分だけ自分のために時間を使う
・人に合わせるより、自分の意思を一度確認する
・「本当はどうしたいか」を言葉にしてみる
こうしたスモールステップの積み重ねが、他人に振り回されない力を養います。
他人に振り回されない心地よさ
期待から自由になると、驚くほど心が軽くなります。
相手の反応で喜びや悲しみが揺れにくくなり、自分の価値を他人の評価で決めなくなります。
その結果、自分が本当にやりたいことを選べる時間とエネルギーが増えていきます。
期待しないことは諦めではない
期待を手放すことは、目標や夢を放棄することではありません。
むしろ、結果に縛られず、純粋に「やってみる」という行為を楽しめるようになるということです。
それは、必要以上のプレッシャーを外し、長く続けるためのエネルギーを守る方法でもあります。
期待よりも行動を、結果よりも過程を大事にする。
そんな生き方が、あなたの人生を軽く、そして豊かにしてくれるはずです。
コメント