古米・古古米の定義と誤解
新米との違いと、それぞれの使い道
寿司屋が「新米を使ってます」と言わない理由
古米を美味しく食べるテクニック
ワインの熟成と比較した“お米の熟成”の真実
🍙 古米・古古米とは?──名前で損してるお米たち
まずは定義から。
- 新米:その年の秋に収穫されたお米(12月31日までに精米されたもの)
- 古米:前年に収穫されたお米(1年超)
- 古古米:2年以上経ったお米
「古い=まずい」という先入観、ありませんか?
確かに新米は香り高く、粘りや甘みが強いのが特徴です。しかし古米にも“向いている使い道”がちゃんとあるんです。
🍳 古米のここがすごい!メリットまとめ
特徴 | 詳細 |
---|---|
✅ 水分が少なく吸水しやすい | パラっと炊けるため、炒飯やカレーに最適 |
✅ 粘りが抑えられた食感 | 酢飯や弁当に向く。冷めてもベタつかない |
✅ コストが安い | 新米より安価で、飲食店や給食にも多用される |
✅ 腕の見せどころになる | 飲食のプロは、古米を“あえて使う”ことで味のコントロールができる |
特に「炒める」「冷ます」ような調理において、古米の性質はむしろメリットになります。
🍣 なぜ寿司屋では「新米を使っています」と言わないのか?
これは意外と知られていませんが、寿司職人は“新米を敬遠する”ことがあるんです。
理由は次の通り:
- 水分が多すぎてベチャつく →シャリにすると握りづらく、酢もなじみにくい。
- 粘りと香りが主張しすぎて、ネタの味を邪魔する →米はあくまで脇役。目立ちすぎるのはNG。
- 古米とのブレンドで“最適な味・香り・粘り”を演出 →プロは米の「ブレンド職人」でもある。
つまり、「新米=最高」ではなく、料理との相性がすべてということ。
だから「新米です!」とあえて言わない。言えないんじゃなくて、言う必要がないんです。
🍷 ワインの熟成と米の熟成──違いと共通点
「古米って熟成米? ワインみたいに旨味が増すの?」
よくある誤解ですが、結論としては**“そうとも言えない”**です。
比較項目 | ワイン | 古米 |
---|---|---|
時間経過で旨味が? | ◎ →熟成により香り・複雑さが増す | △ →旨味は減少するが、用途により価値が出る |
保存環境の影響 | 非常に大きい | 影響大(高温多湿で風味悪化) |
ベストな用途 | 味の変化を楽しむ | 料理への使い分け |
つまり、古米は「熟成でうまくなる」わけではなく、変化した特徴を活かす素材なんです。
👨🍳 古米を家庭で“美味しく”食べる方法
「安い古米を買ったけど、味が落ちてて…」と感じたら、次の工夫を。
✅ 水加減の見直し
→水分が少ないため、通常より10%程度多めの水で炊くのが基本。
✅ 昆布を入れる
→旨味成分のグルタミン酸が米の風味を補う。ほんのひと片でOK。
✅ 炊き込み・チャーハンに使う
→風味の強い具材と合わせることで、古米の物足りなさをカバー。
✅ ブレンド米にする
→スーパーや業務用米では、新米+古米のブレンド品も多い。家庭でも新米と混ぜて使えばベストバランス。
🍽 料理別おすすめ米タイプ
料理 | おすすめ米 |
---|---|
カレー、炒飯、パエリア | 古米〜古古米 |
酢飯、手巻き寿司 | 古米〜ブレンド米 |
白ごはん(そのまま) | 新米がベスト |
おにぎり(冷めても美味しい) | 古米〜ブレンド米 |
🧾 まとめ:古米は“使い道を知る”とプロの味になる
「古米はまずい」と思っていたら、それは使い方を知らなかっただけ。
- 寿司職人が新米を使わない理由
- 古米だからこそ美味しい料理がある
- 熟成ワインと違い、“活かし方”がポイント
あなたの食卓に、もう一度「古米」の居場所をつくってあげてください。
それがきっと、料理の奥行きを広げる第一歩になるはずです。
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